こんにちは、雑草大好き大学生の草男です。
今回は「雑草学を学びたい!」と思っている受験生の皆さんに向けて、雑草学を専門に学べる大学と研究室をまとめて紹介します。
というのも、僕自身が大学進学を考えていたときに、「雑草学ってどこで学べるの?」「雑草を研究したいけど、どこの大学がいいの?」と悩んで、ネットをかなり深掘りした経験があるからなんです。
実際、大学のパンフレットやHPを見ても「雑草学研究室」とはっきり書かれている情報ってなかなか出てこないんですよね。
でも!探せばちゃんとあるんです。
この記事では、僕が調べた中で見つけた“本当に雑草学を研究している大学”を紹介するとともに、「雑草学ってそもそも何?」というところから、大学選びのポイントまで、じっくり解説していきます!
1. 雑草学ってどんな学問?
まずは「雑草学とは何か」からお話ししておきますね。
雑草学は、ざっくり言えば“雑草を科学的に理解して、うまく付き合っていく”ための学問です。
雑草学の主なテーマ
- 雑草の生態や繁殖方法の研究
- 除草剤や防草技術の開発
- 土壌との関係、生態系とのバランス
- 雑草の有効活用(食用・薬用・景観利用など)
つまり、雑草学は「ただ雑草を駆除するための学問」ではなく、農業・環境・生態系とのつながりを科学的に捉える、めちゃくちゃ奥深い分野なんです。
雑草は農業では“敵”になることもありますが、一方で、自然環境の指標にもなるし、食べられる種類もあるし、最近では薬用成分を含むものや、土壌改良に役立つものも注目されています。
雑草を見て「ただの雑草」と思うか、「なんでここに生えているんだろう?」と疑問を持つかで、世界の見え方が変わりますよ。
2. 雑草学が学べる大学(研究室)まとめ
ここでは、実際に「雑草学研究室」として活動している大学を中心に紹介していきます。
「雑草の授業」自体は、実は多くの大学で行われていて、探せばいろいろあります。
各大学のシラバスを検索して「雑草」「雑草学」などで調べてみると、開講されている講義を確認できるので、興味がある大学はまずそこをチェックするのもおすすめです!
ただ、今回ここで紹介するのは「研究室として存在している大学」に絞っています。
【1】京都大学(農学研究科 雑草学研究室)
- 研究テーマ:雑草の生態・分布・群落形成、外来植物の侵入メカニズム、耕作地における持続的管理手法など
- 指導教員: 黒川俊二 教授(農学博士)
- 公式サイト:京都大学 雑草学研究室
研究室の特徴と魅力
京都大学の雑草学研究室は、日本における雑草研究の“中枢”といっても過言ではない存在です。「雑草とは何か?」「どこに・どのように生えるのか?」「どうすれば持続的に管理できるのか?」といった、根本的かつ実用的な問いを科学的に解き明かしていく研究が行われています。
フィールドワークと実験を組み合わせ、雑草の分布や生育特性、生態系への影響などを多角的に調査・分析。特に外来植物の侵入生態や農地での長期モニタリングは非常に力を入れている分野です。
一見“雑草”というニッチなテーマを扱いながらも、実際は生物多様性・生態学・農業・社会実装のど真ん中を貫くような、スケールの大きな研究室です。
実際の研究内容(例)
- 雑草性評価系統の作出
- 外来植物の侵入経路・分布拡大メカニズムの解明
- 微生物を用いた雑草防除技術の開発と作用機構の解明
こんな人におすすめ!
- 雑草学を徹底的に突き詰めたい人
- 環境問題や生物多様性の保全にも関心がある人
- 国際的に通用する農業研究・生態研究をしたい人
- 除草剤に頼らない雑草管理に未来を感じている人
研究の質・量ともに圧倒的で、学会発表や国際共同研究も活発に行われています。「将来は大学教員・研究者として活躍したい」「博士課程に進んで研究を極めたい」と考えている人にとって、まさに最前線の環境がここにあります。
【2】静岡大学(農学部 雑草科学研究室)
- 研究テーマ:雑草の発芽・休眠、生理生態、有機農業における雑草管理、雑草の進化論的アプローチ など
- 指導教員:稲垣 栄洋 教授(農学博士)
- 公式サイト:静岡大学 雑草科学研究室
研究室の特徴と魅力
静岡大学農学部の雑草科学研究室は、日本でも数少ない“雑草そのもの”を深く探究できる研究室のひとつです。雑草の発芽メカニズムや休眠、光・温度などの環境応答に注目しつつ、有機農業や自然農法など現場との接点も重視しています。
特に注目したいのが、**「雑草を敵ではなく、自然の一部として理解しよう」**という姿勢。例えば、「雑草はなぜその場所に生えるのか?」「なぜ今、発芽するのか?」といった根本的な問いを大事にしています。
稲垣先生は、多くの一般書も執筆しており、科学だけでなく“人間と自然の関わり”についても語る研究者です。「雑草という生き方」「身近な雑草たちの静かな戦略」などの本を通じて、雑草に宿る“哲学”を世に広めています。
実際の研究内容(例)
- 雑草の生理生態の解明
- 総合的雑草防除法の開発
- 植生管理による有用生物多様性の向上
- 斑点米カメムシの奇主植物を抑制する「高草刈り」の提案
こんな人におすすめ!
- 雑草の“生き方”を知りたい人
- 有機農業や環境調和型農業に関心がある人
- 雑草に哲学的な魅力を感じる人
- 科学と人文をつなぐ研究がしたい人
この研究室では、フィールドでの観察・実験も大事にしながら、座学では得られない気づきに満ちた学びが得られます。雑草とじっくり向き合いたいなら、間違いなくおすすめの研究室です。
【3】宇都宮大学(雑草管理教育研究センター)
- 研究テーマ:難防除外来雑草の管理、地域植生と鳥獣害の関係、農業・公共空間における雑草害の制御技術開発
- 指導教員:小林 浩幸教授 ほか
- 公式サイト:宇都宮大学雑草管理教育研究センター
研究室の特徴と魅力
宇都宮大学の「雑草管理教育研究センター」は、雑草や鳥獣による被害を防止し、人と自然の共生を目指します。
近年、日本各地で農業現場や道路・河川といった公共空間において、雑草の管理が深刻な課題になりつつあります。背景にあるのは、少子高齢化・地方の過疎化による人手不足、そして国際化によって侵入する外来雑草の増加です。
その問題を解決すべく、、
難防除雑草プロジェクト、地域植生プロジェクト、鳥獣害プロジェクトが進行中です。
実際の研究内容
難防除雑草への対策技術の開発
除草剤が効かない、あるいは効きにくい外来雑草が国境を超えて侵入してくる現状に対して、侵入経路の遮断、個体群の広域動態解析、生活史の解明に基づいた段階的対処法を検討。根絶や低密度管理を視野に入れた新技術の開発を目指しています。
【4】龍谷大学(農学部 植物生態学研究室)
- 研究テーマ:雑草の生態・進化・遷移、草地の群集構造、生物間相互作用、生物多様性の保全と利用など
- 指導教員:三浦 励一(みうら れいいち)准教授(農学博士)
- 公式サイト:龍谷大学 植物生態学研究室(三浦研究室)
研究室の特徴と魅力
龍谷大学の植物生態学研究室(三浦研究室)は、農地や里山、草地といった“人と自然が共にある環境”に注目し、そこでの植物群集と雑草の生態的ふるまいを丁寧に観察・研究しています。
雑草学の中でも、より「文化と生態学寄り」であり、単なる雑草の管理や防除ではなく、雑草がどのように進化し、生き残ってきたのか?、そして**雑草と他の生物(昆虫・微生物・家畜など)がどんな関係を築いているのか?**といった、根源的かつ多面的なテーマに取り組んでいます。
雑草はあくまで“人が作った環境での植物”であり、逆に言えば、人間活動と密接につながっている植物たちです。だからこそ、自然と農業、保全と生産のバランスを考えるうえで、この研究室の視点は非常に重要だといえます。
こんな人におすすめ!
- 「雑草=敵」ではなく、生き物として雑草を見つめたい人
- 生態学や環境保全、持続可能な農業に興味がある人
- フィールドワークが好きで、自然と向き合いながら学びたい人
- 生物多様性や進化論にも関心がある人
この研究室は、「雑草とは何か?」という問いを、農業だけでなく生物の進化・生態・共存という広い視点から捉えなおすことができます。雑草をきっかけに、農業・自然・人間社会のつながりまで見えてくる。そんな学びができる場所です。
【5】信州大学(農学部 雑草科学研究室)
- 研究テーマ:農業生産や生態系に影響を与える外来植物のモニタリング
- 指導教員:渡邉 修 教授(農学博士)
- 公式サイト:
雑草科学研究室 トップページ
研究室の特徴と活動内容
信州大学農学部の雑草科学研究室では、農業現場における雑草の発生メカニズムや分布、生育特性の解析を通じて、効果的な雑草管理技術の開発を行っています。
農業生産や生態系に影響を与える外来植物のモニタリングの研究では、圃場観測用UAV(小型無人ヘリ)を利用した雑草観測を行っています。
信州という高冷地・中山間地を多く抱える地域性を活かし、耕作放棄地や棚田、草地などを対象にした研究が展開されています。
これらの研究は、地域農業の持続可能性を支えるだけでなく、環境負荷を低減した雑草対策や景観・生物多様性保全にもつながる重要な基礎情報となっています。
こんな人におすすめ!
- 雑草の分布や発生の“なぜ”を解き明かしたい人
- 地域農業や耕作放棄地の問題に関心がある人
- 雑草管理を農薬に頼らず、生態学的に考えたい人
信州大学の雑草科学研究室は、科学的視点と地域性の両方を重視し、現場から生まれる研究テーマに真正面から取り組める研究室です。
3. 大学選びのコツ:どうやって進路を決める?
「雑草学がやりたい」と思っても、どんなアプローチをしたいのかで選ぶ大学は変わってきます。
「大学名」だけで選ぶのではなく、「研究内容」や「指導教員の専門分野」「卒業生の進路」なども調べてみるのがおすすめです。
気になる研究室があれば、先生の書いた論文や書籍を読んでみると、研究室の雰囲気が見えてきますよ。
4. 雑草学を学んだその先は?進路やキャリア
雑草学を学んだあと、どんな道があるのか?
これは大学での学び方によっても変わってきますが、たとえば以下のような進路があります。
- 国や自治体の農業普及員・技術職
- 農薬メーカー・肥料メーカーの研究職や技術営業
- 農業系コンサルタント
- 自然保護団体や環境NPO
- 有機農業などの実践農家
- 研究者(大学院進学→博士課程へ)
特に最近では「農薬に頼らない栽培」や「気候変動に対応した持続可能な農業」が注目されており、雑草学の知識が求められる場面が増えています。
また、フィールドワークが多い学問なので、研究と実践を行き来しながら学べるのも、雑草学の面白いところです。
5. まとめ|雑草学は“未来の農業”を支える学問
雑草学は、「農業」×「環境」×「生態系」をつなぐ架け橋になる学問です。
これからの時代、化学農薬だけに頼る農業では限界がきます。
そのときに求められるのは、「雑草とうまく付き合う知恵」。
雑草学を学ぶことは、ただ雑草を“駆除”することではありません。
- 雑草の役割を理解し、必要なときに、必要な場所で付き合う
- 外来種との付き合い方を科学的に考える
- 除草剤に頼らない農業を考える
- 雑草が教えてくれる自然のメッセージを読み取る
そんな未来志向の知恵を身につけられるのが「雑草学」なんです。
もし少しでも雑草に興味があるなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。
きっと、世界の見え方が変わってきます。
雑草学に興味があるけど「どこで学べるかわからない!」という声が多かったので、この記事を作りました。もし参考になったら、ぜひシェアしたり、他の記事も見てみてくださいね。
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