こんにちは、福井県で農業や雑草について日々学んでいる大学生の草男です。
みなさん、お米の値段が高いと感じていませんか?一時期に比べてやや落ち着いてきたとはいえ、まだまだ家計に響く水準が続いていますよね。そんな中、福井県の新米価格が2025年もさらに高値になる見通しだというニュースが入ってきました。今回は、JA福井県が発表した「概算金(がいさんきん)」の大幅な引き上げについてわかりやすくお伝えします。
福井県産コシヒカリ 概算金が1.7倍に!
JA福井県は2025年8月18日の臨時理事会で、県産コシヒカリの概算金を60キロあたり2万9,000円にすると決定しました。
これは、前年(2024年)の1.7倍にあたる大幅な引き上げです。
同時に、福井県のブランド米「いちほまれ」も1万1,800円増額の3万400円へ、さらに「ハナエチゼン」も7月の理事会で決めた価格から5,000円上乗せして2万8,000円に修正されました。
概算金引き上げの理由
なぜここまで大幅に上がったのでしょうか?JA福井県は次のような理由を挙げています。
- 今夏の猛暑による高温障害や渇水で、作柄不良・収量減の見込み
- 民間業者を中心としたコメ相場の高値傾向
- 政府備蓄米の放出がなく、相場を下げる要因がない
つまり、**「米の供給不足」+「需要の競争激化」**が重なり、米価が高止まりしているのです。
概算金とは?
**概算金(がいさんきん)**とは、JAなどが農家からお米を集荷する際に「ひとまず前払いするお金」のことです。
最終的に販売価格が決まったあとに精算が行われますが、この概算金の金額は米価の動向を大きく左右するため、毎年注目されます。
つまり「今年の米の相場感」を示す先行指標のようなものなんですね。
今の福井の現場から
私の住んでいる地域では、ちょうどハナエチゼンの収穫が始まってきています。

農家にとって、今年は高温障害などの不安もある中で「米価が上がる」というのはやはり大きな安心材料になりそうです。
農業関係者から見た「高値」の意味
ここ数十年、米価は下落基調が続き、「米は儲からないから続けられない」という理由で離農していく農家も多く見られました。政府による備蓄米の放出などで価格が抑えられてきた歴史もあります。
しかしここに来て、米価が持ち直し高止まりしているのは、農業関係者にとって「嬉しい悲鳴」とも言える状況です。
この流れは以下のようなプラスの側面も考えられます。
- 離農を考えていた農家が経営を続ける意欲を取り戻す
- 農業法人や企業的経営体の参入による効率的な生産拡大
- 米の価格上昇が、経営安定につながる可能性
つまり、今回の米価上昇は単なる消費者負担の増加にとどまらず、農業経営そのものの持続性を高めるチャンスと捉えることができるのではないでしょうか。
現在の福井県産米の店頭価格
私の地域のスーパーでは、2025年8月現在:
- 福井県産コシヒカリ … 10キロ 7,800円前後
- いちほまれ … 10キロ 7,500円前後
といった水準です。すでに全国的に高値傾向が続いており、9月以降の新米シーズンにはさらに価格が上がる可能性があります。
今後の展望
福井県のコシヒカリは9月初旬から収穫が始まります。
猛暑による作柄不安が残る中で、2025年の新米価格は昨年以上の高値水準で推移する見込みです。
個人的には、今回の価格上昇は消費者にとって負担増である反面、農家の経営安定や新規参入を促す追い風にもなると感じています。「お米が儲からない」という常識を覆すきっかけになるかもしれません。
まとめ
- 福井県産米の概算金が大幅に増額され、コシヒカリは前年の1.7倍に
- 背景には猛暑による収量減と全国的な相場高騰
- ハナエチゼンはすでに収穫期を迎え、現場でも価格上昇は大きな安心材料に
- 米価の上昇は、農家の経営安定や農業法人の参入を後押しする可能性も
新米の季節は楽しみですが、価格の動きには引き続き注目していきたいと思います。
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