私は福井で農業と植物について学んでいる大学生です。
普段から畑で雑草と向き合うなかで、たくさんの草たちと出会ってきました。
その中でも、春になるとよく見かけるのがハルジオン。
可愛らしい見た目とは裏腹に、農業をしている人にとってはちょっとやっかいな雑草でもあります。
しかもややこしいのが、**そっくりな花を咲かせる「ヒメジョオン」**という植物があること。
「どっちがどっちか分からない…」という声もよく耳にします。
この記事では、そんなハルジオンとヒメジョオンの違いや見分け方、
さらにハルジオンのちょっと意外な活用法まで、雑草と日々向き合ってきた私の経験からわかりやすくご紹介していきます。
① はじめに
春の野原や空き地に、ふわっと咲いている白い花。
まるで小さな菊みたいだけど、よく見ると茎がスカスカだったり、つぼみがうなだれていたり…。
それが「ハルジオン」です。
「ヒメジョオンと何が違うの?」とか、
「名前、ちょっと噛みそう…」とか、地味にいじられがちなこの植物。
でも実は、ちょっと切ない過去も持つ、春の雑草界のセンター的存在なんです。
② 基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
和名 | ハルジオン(春紫苑) |
学名 | Erigeron philadelphicus |
科・属名 | キク科 ムカシヨモギ属 |
原産地 | 北アメリカ(昭和初期に来日) |
③ 特徴・見分け方
- 花:3〜5月ごろに咲く、白〜淡いピンクの小さな花。中心は黄色
- 花びら:極細!髪の毛レベルの細かさで、まるでふわふわの綿毛みたい
- つぼみ:下向きに垂れている。なんだかしょんぼりしてる感じがかわいい
- 茎:中が空洞。←これがヒメジョオンとの見分けポイント!(ヒメジョオンは詰まってます)
- 葉:茎を抱くように生えている。ここもヒメジョオンと違う部分


【ミニ知識】ヒメジョオンとの見分け方|覚え方は「はるぴんくー」
ハルジオンとヒメジョオン、見た目がすごく似ていて、よく間違われます。
でも、いくつかしっかりした見分けポイントがあるんです。
特徴 | ハルジオン | ヒメジョオン |
---|---|---|
開花時期 | 春(3〜5月) | 初夏〜秋(6〜10月) |
花の色 | 白〜薄ピンクが多い | 真っ白が多い |
つぼみ | 下向きでうなだれる | 上向きでシャキッとしてる |
茎 | 中が空洞 | 詰まっている(中実) |
葉 | 茎を抱くようについている | 葉柄がある(くっついてない) |
そして、私が考えた覚え方のキーワードがこれ!
「はるぴんくー」=ハルジオンは、ピンク多い+空洞!
語呂もいいし、一発で覚えられます。
ついでに「ヒメジョオンはその逆」って覚えておけば、観察のときも安心ですね。
加えて、花が咲いている時期には「花びらの形や枚数」に注目するのもおすすめです。
- ハルジオンの花びらはすごく細くて本数も多いので、全体的にふわっとした、繊細な雰囲気があります。
- 逆にヒメジオンの花びらはちょっと太めで、枚数も少なめ。見た目のボリューム感がハルジオンとはちょっと違います。


この違い、実際の写真を見て比べてみるとすごくわかりやすいですよ。
慣れてくると、「あ、これはハルジオンやな」「こっちはヒメジオンや」って、パッと見ただけで分かるようになってきます。
④ 生態・繁殖力
ハルジオンは多年草で、春に花を咲かせ、夏までにタネをばらまいていきます。
タネは風に乗ってひゅーんと飛び、気づけば空き地や公園に群生。
さらに地下茎でも増えるという二刀流で、勢力拡大に余念がありません。
一度定着したら、ちょっとやそっとじゃ居場所を譲りません。
「春のかわいこちゃん」みたいな顔して、意外としたたかです。
⑤ 人との関係
- 昭和の初期に観賞用として輸入されたけど、すぐ脱走して野生化
- 「貧乏草」と呼ばれることもあり、抜かれる運命に…(でも本人は悪くない)
- ヒメジョオンと混同されやすく、「どっちがどっち問題」は観察初心者あるある
- 最近は「雑草もかわいい」と再評価されつつあり、人気がじわじわ上昇中!
⑥ ミニコラム
ハルジオンって、なんとなく「春の花代表」みたいな雰囲気ありますよね。
でも花が下向きで、ちょっと首をかしげて咲いてるのを見ると、
なんか「いや、別にそんな目立ちたいわけじゃ…」って言ってるようにも見えてくる。
そういうちょっと引き気味な感じ、なんか愛おしいんですよ。
しかも名前を言い間違えると、わりと恥ずかしい。「ハジルジオン…?」「ハルジョイン?」…気をつけましょう。
⑦ 利用法はある?
- 観賞用:野に咲く花として人気。素朴で春っぽい雰囲気が◎
- 薬用:古くは消炎や利尿などに使われたこともあるとか(※専門知識が必要)
- 雑草対策:グラウンドカバー的にも使えるが、勝手に増えるので注意が必要
ハルジオンは食べられる?
実はハルジオン、春に出てくる若葉やつぼみなどを食べることができる野草としても知られています。
ただし、ちょっとアクがあるので、そのまま食べるよりは軽く茹でてアク抜きをしてからのほうが安心です。
おすすめの食べ方は「天ぷら」。
サクッと揚げることで香りが引き立ち、ほんのりとした春の苦みもおいしく感じられますよ。
野草料理に挑戦してみたい方は、ぜひ一度試してみてくださいね。
⑧ ハルジオンを調べるのにおすすめの本
ハルジオンについてもっと深く知りたい方におすすめなのが、稲垣栄洋さんの著書『雑草手帳』です。
この本は、身近な雑草を季節ごとに紹介しながら、それぞれの特徴や名前の由来、生きざままでを優しく語ってくれる一冊。ハルジオンも登場しており、見分け方のポイントや似た雑草との違いがわかりやすくまとめられています。
図鑑のように網羅的というよりは、散歩中に出会う雑草との対話のような感覚で読めるのが魅力。雑草に少しでも興味がある人なら、ページをめくるたびに「なるほど!」と感じること間違いなしです。
「雑草って、こんなにも個性豊かなんだ…」
そんな発見が詰まった一冊として、ハルジオンだけでなく、いろんな雑草との出会いも広がりますよ。
【雑草図鑑レビュー】『散歩が楽しくなる雑草手帳』は初心者にもおすすめ!知識・楽しさ・実用性を兼ね備えた一冊
⑨ 駆除・対策(簡単に紹介)
- 駆除のタイミング:開花前がおすすめ。種を飛ばす前に抜く!
- 除去方法:根ごと抜くのが理想。地下茎に注意
- 注意点:スコップで掘り起こすか、何度かに分けての駆除が◎
▶ 【関連記事】ハルジオンの駆除方法まとめはこちら(内部リンク)
⑩ まとめ
- ハルジオンは春に咲く白い花。ふわふわ&うつむき加減が特徴
- タネと地下茎で増えまくる、かわいい顔したつよつよ雑草
- ヒメジョオンと見分けるには「茎の中」をチェック!
- 名前は言いにくいけど、見た目は素朴で愛されキャラです
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