【雑草解説】オオフサモとは?見分け方・駆除方法・特定外来生物に指定された理由も紹介!

雑草
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はじめに:モサモサの水草、その正体は…

こんにちは、雑草観察家の草男です。

ある日、高校時代によく通っていた学校の池に目をやると、なんともモサモサした緑の植物がびっしりと水面を覆っていました。最初は「ただの水草かな?」と見過ごしていたんですが、なんだか様子が変。繁殖力が妙に強そうだし、普通の図鑑にも載っていない…。

調べていくうちにたどり着いたのが「オオフサモ」という名の植物。そして驚くべきことに、この植物は特定外来生物に指定されていたのです!

今回はその「オオフサモ」について、特徴や見分け方、駆除方法などを詳しく解説していきます。


オオフサモの基本情報

  • 和名:オオフサモ
  • 学名:Myriophyllum brasiliense Cambess.
  • 科名:アリノトウグサ科
  • 英名:Parrot feather(オウムの羽)

オオフサモは南アメリカ・ブラジル原産の水草で、観賞用として世界中に広まりました。日本には大正時代に導入されましたが、やがて野外に逸出し、各地で野生化。現在では全国の湖沼や河川で見られ、深刻な問題になっています。


オオフサモの特徴と見分け方

見た目の特徴はとても独特です。

  • 細かく羽のように裂けた葉が7〜9枚、輪生状に生える
  • 茎は水中から水上へぐんぐん伸びる
  • 葉は繊細でフサフサしており、水草にしては陸上でも生きられるほどの強さ
  • 全体的にやや赤みを帯びることもあり、見た目はとても美しい

アクアリウムで人気だったのも納得のビジュアルですが、自然界では要注意。


生態と驚異的な繁殖力

日本にあるオオフサモは「雄株」のみなので、種子では増えません。そのかわり…

  • 茎の一部がちぎれるだけで新しい株に
  • 水があれば陸上でも根づく
  • 一度繁殖すると、池や水路をあっという間に覆う

という「無敵の繁殖力」を持ち、駆除が非常に難しい植物です。


【草男の体験談】大阪の高校での出会い

私が初めてオオフサモに出会ったのは、大阪にある高校の池でした。なんだかモサモサした植物が一面に広がっていて、普通の図鑑には載っていなかったので、外来植物図鑑を調べたところ、オオフサモだと判明。

しかも特定外来生物だと知ってビックリ。すぐに先生と相談して、池から全部取り出して乾燥させて駆除しました。

しかし、乾燥させている最中でも、少しでも湿り気があると土に根を張って再生…!

水草なのに地上でも生きるというしぶとさを目の当たりにして、これは在来種の生息地を侵略する「ガチでやばい外来植物」だと実感しました。


オオフサモは食べられるの?

結論:食べられません。

毒性の報告は特にありませんが、「特定外来生物」であるため、栽培・運搬・譲渡・販売などすべてが法律で禁止されています。

「食べて処理しよう」なんて安易なことは考えず、まずは環境省か自治体に相談してみるのがいいかもしれません。


オオフサモを調べるのにおすすめの本

雑草や外来植物に本気で向き合うなら、これは避けて通れない。
全国のフィールドワーカー、植生調査ガチ勢、農業関係者にとって「頼れる相棒」として語り継がれる一冊。

帰化植物に特化した究極の植物図鑑
全国農村教育協会の名著『日本帰化植物写真図鑑 —Plant Invader 600種—』こちらがオオフサモを調べるのにおすすめです!

詳しく解説した記事もあります👇

【書評レビュー】『日本帰化植物写真図鑑』は草オタ必携のバイブル!1100種を超える生きた帰化植物データの集大成


駆除・対策方法

注意点

  • 外来生物法に基づき、無許可での駆除・運搬は禁止
  • 見つけたら勝手に抜かず、必ず自治体や環境省へ相談

小規模な駆除なら…

  • 完全に引き抜いて、乾燥処理(湿らせたまま放置すると再生します)
  • 池の水を抜いて耕起処理(根ごと破壊)

除草剤は水中生物への影響があるため、基本的には非推奨です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 観賞用として売られていたの?
A. はい、かつてはアクアリウム向けに流通していましたが、現在は取り扱いが厳しく制限されています。

Q2. 家の池でこっそり育てるのは?
A. 違法です。育てるだけで外来生物法に違反するおそれがあります。

Q3. 外で見つけたらどうすれば?
A. 自治体や環境省に相談し、決して自分で移動・処分しないことが大切です。


まとめ:オオフサモは“きれいで危険な植物”

  • 見た目は美しいが、自然界では厄介な特定外来生物
  • 一度根づくと駆除が難しく、無限に増える
  • 池や川に見かけたら要注意の危険植物

自然を守るためにも、「あれ?変な水草があるな」と感じたら、安易に触らず、まずは調べて・適切な行動をとりましょう!

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ここまで読んでいただきありがとうございました。
もしこの記事を通じて少しでも雑草に興味が湧いたり、特定外来生物についてもっと知りたいと思った方は、ぜひ他の雑草解説記事もチェックしてみてください。

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